SWIR(短波赤外)講座<コラム<CCTVレンズ専門店:秋葉原ユニエル電子(Home)
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 ■ SWIR (短波赤外)講座

SWIR (短波赤外)を解説致します。(未完:加筆中2020/12/15)

[■SWIR用レンズ]

 1.赤外線の定義  

【SWIR(短波赤外)】とは一般に0.9μm(=900nm)~2.5μ(=2,500nm)(または〜1.7μm(=1,700nm)波長帯の光の事を指します。


  ■光の波長と周波数(参考)  
  光と波長の周波数  

■赤外線の波長区分
名称 周波数(例) 用途(例)
NIR (Near infrared:近赤外) 780nm~900nm
(0.78μm~0.9μm)
・微光(暗視)カメラ
SWIR (Short wavelength infrared:短波赤外) 900nm~2,500nm
(0.9μm~2.5μm)
・赤外線リモコン・生態認証(静脈認証)・顔認証
・MWIR (Mid wavelength infrared:中波赤外) 3,000nm~5,000nm
(3μm~5μm)
・化学物質の同定(定性分析)・サーマルイメージング
LWIR (Long wavelength infrared:長波赤外)
=TIR (Themal infrared:熱赤外)
8,000nm~12,000nm
(8μm~12μm)
・サーマルイメージング
・FIR (Far infrared:遠赤外) 12,000nm~
(12μm~1,000μm)

 2.赤外線探知素子の種類(短い波長順)  

名称周波数(例) 用途(例)
HgCdTe (Nercury Cadmium Telluride-MCT, CMT)
=水銀カドミウムテルル(三元合金)

・InSb (Indium Antimonide)
=インジウムアンチモン:アンチモン化インジウム単結晶(III-V族化合物)
・自動追尾ミサイルの赤外線検知に応用。
・PtSi (Platibum silicide)
=プラチナシリコン:プラチナシリサイド:白金珪素

・金星探査機「あかつき」に搭載「IR2」カメラ(カメラ=三菱電機・レンズ=ニコン) に採用。

・QWIP (Quantim Well Infrared Photodetector)
=量子井戸型赤外センサ
・InGaAs (Indium Gallium Arsenide)
=インジウムガリウム砒化物
・SWIR用の主要センサ。0.9~1.7μF対応。
・T2SL (Type II 歪層超格子=InAS層とGaSb層を交互に形成した構造) ・1-2.4μm対応。

 3.SWIRの特性 & 用途(例)  

【特性】
・短波赤外(SWIR)は、対象物自体から放射される中波赤外(MWIR)、長波赤外(LWIR)の熱放射による画像とは異なり、
 可視光と同様に光子が対象物によって反射または吸収されるため、高解像イメージングに必要な高コントラストを提供する。

・短波赤外(SWIR)は可視光より波長が長いため、大気中の微粒子の影響を受けづらく透過性が良い。
 靄(もや)や、煙などの微粒子による乱反射の影響を受けづらいため、透過性が良い。

・短波赤外(SWIR)は低照度での測定に適しており、夜光下だけの様な微光環境でも測定が可能。
 ※ 夜光(Airglow ・Nightglow):成層圏からのイオン発光現象


【用途(例)】
・[青果選別]
 SWIR帯の光には「水の吸収を示す」波長帯が含まれ、その波長帯を利用する事で、可視光では見分ける事が難しい水分を検出する事が出来る。
  例:リンゴの打痕に溜まった水分の検出

  可視光領域(カラー) 可視光領域(白黒) 短波赤外領域(SWIRカメラ)  
  りんご可視光カラー りんご可視光モノクロ りんごSWIR  
      打痕の検出(※イメージ)  

・[異物検査]
 SWIR帯域の光の「吸収性・反射特性」を利用する事で、可視光ではとらえる事の難しい物質の違いを見分ける事が出来き、異物検査に応用されている。
  例:短波長赤外の吸収率の違いを活用した材料選別:塩/砂糖=可視光では「両方とも白色」だが、SWIRでは異なって映る。


  可視光領域(カラー) 可視光領域(白黒) 短波赤外領域(SWIRカメラ)  
  砂糖塩可視光カラー 砂糖塩可視光モノクロ 砂糖塩SWIR  
      異物検査(※イメージ)  

・[半導体検査]
 SWIR帯域の光が「Si素材(シリコン=金属ケイ素)を透過する性質」を活かして、半導体製造や検査で活用されている。


・[温度測定]
 SWIR帯域の光は「高温物質に対し高い輝度を示し」、複数の波長の輝度の差を利用する事で温度を推定する事が出来る。
 例:溶接部の様な高温部の温度推定に応用されている。
 ※ 物体は熱を電磁波で放出している。電磁波は一般的に低い温度程、波長が長い。そのため、長い波長帯を撮影出来る「サーモカメラ(サーモグラフィ)」は
   体温などの熱の情報を撮影出来る。「SWIRカメラ」は体温が発する様な長い波長の撮影は行えないが、火が発する電磁波を撮影が可能で、火の検知、
   高温検知へ応用されている。(サーモカメラではガラス越し撮影の場合、ガラスの温度情報が重なると鮮明に温度が反映しない。


  可視光領域(カラー) 可視光領域(白黒) 短波赤外領域(SWIRカメラ)  
  半田こて可視光カラー 半田こて可視光モノクロ 半田こてSWIR  
      高温の検出(※イメージ)  

・[遠方観察]
 SWIRは可視光より波長が長い為、空気中の微粒子(靄(もや)・煙など)の影響を受けづらく、遠方観察へ応用する事が出来る。


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